去る8月5日、山下達郎PERFORMANCE 2023山形県 やまぎん県民ホール公演にいきました。2019年10月ラインキューブ渋谷以来のライブ参戦です。
コロナで20年21年とツアー中止。
そして再開した22年はなんとファンクラブ枠でもチケット取れないという悪夢のような仕打ち(涙)
そもそも山下達郎ファンクラブって、その昔チケットの優先枠を設けることを趣旨として始められたものだった(達郎本人がファンクラブ会報でも話していた)筈。
なので、ファンクラブメンバーは毎年1公演は必ずチケット入手できたのです。(2014年の本数少なかった「マニアックツアー」を除いて)
ちなみにそのマニアックツアーに関しては達郎さん曰く「こんなオタクなセットリストでお客さん埋まるかどうか心配で本数控え目にした」でも逆にそれが人気を呼び、FCメンバー収容しきれずにブーイングの嵐が巻き起こりましたが。
それが、一昨年からFCメンバー新規募集を再開した結果、昨年のツアーから一度も参加できないと言う悲劇が多くの昔からのFCメンバーに降りかかったのです。
そこでやむなく一般公演チケットの日本全国ほぼ全ての抽選を申し込んだのですが、ことごとくハズレ。恐らく申込数100回は越えていると思います。ましてやここ数年のCITY POPブームの影響も強く、山下達郎のライブ聞いてみたいと申し込む新規顧客が凄く増えている様です。
大昔の雑誌記事に「山下達郎のチケットは屍を乗り越える覚悟が必要」とさえ書かれていた記憶がありましたが、本当にそんな感じです。
それでやむなく2023年に向けては、妻もファンクラブに加入させ、2人で申し込んだ結果、ようやっと1公演のみ当選。それも私の第5希望の会場。それが山形だったわけですが、でも観られただけでも幸せと思わなくちゃいけないですよね。
ライブ当日、朝9時過ぎの東北・山形新幹線「つばさ」に勇躍乗り込み(大袈裟か)山形にむかいました。
朝ご飯はこのサンドウィッチ。ハムとチーズだけの極めてシンプル&レトロなんだけど、これが美味しい。ハムがロースじゃなくてボンレスハムってのがまた嬉しい。
山形初見参。
時間が結構あったのでホテルチェックイン後、山形城趾や博物館をうろうろしたあと本日の会場「やまぎん県民ホール」に向かいます。
山銀県民ホールは開場して3年ほどの新しい施設。
その立地も駅の北隣と至便。我々の宿泊したダイワロイネットホテルからも徒歩5分ほど。
このホテルが実は・・・ってのは翌朝分かったんですけどね。
シートも豪華な雰囲気。
何故客席に付いて触れているかって言うと、私の娘がこの椅子の制作に携わっていたのです。聞いてみると「山形県内の木材と米沢織物のオリジナル生地使用する」という指定だったそう。
さて会場入場後、お決まりのツアーパンフに加え、先週に発売された新曲Sync of Summerを購入
ほぼ18時ちょうどにいよいよ開演です。
<ここからは完全ネタバレです>
プロローグのアカペラは、行けなかった昨年を除きここ数回のツアー毎回同じ様な気がします。過去「フラジール」や「希望という名の光」「REBORN」などの年がありましたが。
1.SPAKLE
お決まりのオープニングナンバー。過去HAPPY HAPPY GREATINGやBIG WAVEのテーマとメドレーになってたツアーもありましたが、このところは単独で歌われています。
達郎さんの衣装、今回の長袖布帛シャツの色はパープル。古希だからだそうです。
2.雨の女王
これは2014年マニアックツアー以来。個人的に嬉しかった楽曲です。サックスソロの前のインターバル女声コーラスがハルナさん、ENAさんの澄んだ声で聴くことができました。
2015年にこの女声コーラス隊になった際、このハルナさんのステージアクションについて、ある音楽業界の方が「これだけ曲のリズムに対して腕を振らないで歌う人も珍しい」といい意味で論評されているのを読んだことがあって、ハルナさんご自身も自らのPODCAST(今はYouTube channel)でそのことに触れられていました。今回の公演でそのことを思い出し、気をつけて見ていると確かに殆どノーアクションでコーラスなさっています。隣のENAさんもそれ程アクションが多いとは思いませんが、ハルナさんは特にノーアクションで歌われます。カラダを揺すらずに正確なリズムをとれると言う事でしょうか?彼女はボイストレーナーもなさっている様ですが、そのせいなのかもしれません。
3.ドーナッツソング
今回のツアーでは菅田将暉のカバーもあったことで絶対演るとおもってたファンも沢山いたと思います。
本編前のお遊びでLOVELAND ISLANDのさわりがニューオリンズビートにのせて歌われました。「今日本編では演らないよ」 新加入のリードギタリスト鳥山雄司さんのスライドギターも聴けました。
4.土曜日の恋人
個人的に山下達郎favorite song BEST5に入るこの曲は、前回行った2019年でも演奏されました。スタジオ録音ではフェードアウトですが、ライブのエンディングの段取りがとても好きです。
5.SOLID SLIDER
佐橋佳幸さんに代わり今回初参加となったリードギタリスト鳥山雄司さん。この曲でのソロパートは曲のタイトル同様かなりソリッドな音色でした。ちなみに使用ギターは、ストラト、テレキャス、そしてストラトのマシンヘッドがついた335(かな?)だったと思います。
しかし完全人力によるこの曲のグルーヴ感は、打ち込みリズムしか聴いたことないお若い方に、是非生で体験していただきたいと思います。
後半の難波弘之さんと宮里陽太さんのソロバトルは以前より少し短い気がしましたが、この辺りでステージ時間を短縮しているんでしょうか?
MCで「今日初めて山下達郎をご覧になった方?」挙手求めると場内明るくなり・・・
手あげた方1/4程度だったでしょうか?これって以前よりはかなり多いと思います。やはり最初に書いた様に「一見さん〜あちょっと表現違うか」(達郎さんの言葉)が増えたからでしょうね。ただ、「最近はお若い方が増えた」は山形ではそれ程実感できませんでした。ローカル会場のせいなのかな?
6.FUTARI
難波さんのアコースティックピアノによるイントロダクションから始まるこの曲は、十字路と並んで達郎さんのバラードで最も好きな曲です。この2曲は共に4分の3拍子ですね。
7.潮騒
達郎さんのキーボード弾き語りから始まる潮騒。スタジオ録音ではシンセですが、このライブのエレピの音色の方が好みです。この曲が始まるといつも会場の雰囲気が和みますね。
今回のライブとは関係ありませんが、娘が小さい頃この曲を聴いていて「ねえ、ウミネコってどんな猫?」って聞かれたことを30年くらい経った今でも覚えています。
8.Groovin'
70歳を迎えて・・・のMCからこのイントロが聞こえて、ああそうか!あれやるんだよね?ってすぐに思ったお客さんも結構いらっしゃったかと思います。
ONE TIME---TWO TIMES--- THREE TIMS-----SEVENTY TIMES
2013年還暦の際はSIXTY TIMESやりましたから。
しかしこれメンバー誰も間違いなくピッタリ70回合わせるって凄い、というか各人頭の中でカウントしているんでしょうか?それとも・・・? 大昔に100回ってのも録音残ってて聴いたことありますが。
「そもそもこれはJBのステージ演出に影響されてるんですよね?」というある方のサンソンへの投稿に対し、「そんなもんはあっちでは誰でもやってる」って突っぱねた達郎さんのコメントが、相変わらずだな!なんて思った記憶があります。
9.~10.BELLA NOTTE~HAVE YOURSELF A MERRY CHRISTMAS
今回のアカペラはドゥーワップではなくクリスマスソングでした。
11.クリスマスイブ
クリスマスイブは毎回殆どがテープのオケにドラムとベースのリズムは生演奏を加えた演奏に乗って歌われますが、キーボードとギターはどこまで生音なのかはよく分かりません。クリック(ガイド音)に合わせて演奏されていることは、演奏が終わってステージが暗転された際に小笠原さんがイヤモニ外すので分かるんですが、そういうのをつい探しちゃうって自分は嫌な性格ですよね(笑)
12.蒼氓
希望という名の光とツアー毎のテレコで歌われてきましたが、ここ3年は蒼氓が続いています。メドレーで岡林信康の「私たちが望むものは」と「希望という名の光」が途中で出てくるのは今やデフォルトとなっています。
ところで、本日8月15日終戦記念日のTOKYO FM正午からの終戦記念日黙祷のBGMにこの蒼氓が使われていました。一般的にこれほどの意味がある曲と捉えられているのでしょうか?自分はコアなファンであるが故、客観的に捉えることができません。
13.ずっと一緒さ
この曲の一節「あなたと二人で生きていければ何度でも生まれ変われる」は一時期私が結婚式の祝電として贈る言葉の定番でした。
14.SILENT SCREAMER〜BOMBER〜SILENT SCREAMER
ある意味このメドレーが、この日のハイライトだったと思います。
通常山下達郎ライブは、本編終盤のLET'S DANCE BABYから観客が立ち上がるのが暗黙のルールですが、この日はこのメドレーから1階席前方から立ち始め、2階席私の周りもかなりの人が立ち上がりました。皆ファンクナンバーを待ちわびていたんです。両曲とも伊藤広規さんのベースソロ部分では特に大歓声が上がります。
難波さんもfacebookで「特に山形は声援が凄くて、’80年頃のコンサートを思い出しました」と書かれていたくらいの盛り上がりでした。
しかし、演奏自体はあくまでクール。リズムが走ったり、ボリューム上がったりなんてことは全くあろうはずもなく、メンバーのオーバーアクションもありません。
15.LET'S DANCE BABY
お約束のクラッカーは意外と少なかったですが、達郎さん「去年より多い!」
後半の「お遊び」ではLet's Kiss the Sun〜さよなら夏の日〜Cheer up Summer〜Mean Woman Blues
16.CIRCUS TOWN
On this Goovin' Saturday Evening, I like to say Thank You Everybody, And Good Night!
で本編終了となりました。
時計を見るとここまで2時間15分ほど。もっと長く感じましたが。
アンコール
17.Sync of SUMMER
先週発売になったばかりの新曲。
サウンド的に80年代後半~90年代の感じが嬉しいタツロー節。
「歌詞が多くて覚えきれないのでここまでの11公演はアンチョコ見ながら歌ってましたが、もう大丈夫。譜面台を片付けます」
こう言う曲の演奏はバックバンドの実力が特に発揮されますね。そういえば10年以上前に小笠原拓海さんに某ジーンズショップチェーンのPR誌で取材させていただいたことがあって「好きなドラマーはジェフ・ポーカロ。それは歌伴が上手いから。自分も歌伴の上手いドラマーが目標です」って仰ってたのを思い出しました。
18.RIDE ON TIME
恒例の生歌(マイクを通さず生の声を客席に届ける)はホールの音響なのか、達郎さんの声の調子なのか、とても良く響いていました。そういえば昨年ご自身がコロナを罹患してから断酒し、そのせいか声の調子もとてもいいと仰っていましたね。
でも、腰をさすりながら前屈みでお立ち台に上るというギャグもやってくれました。
各メンバー紹介のソロ回しが今回も短かったのは残念。
19.恋のブギウギトレイン
これもお馴染み、ステージの最前まで出てくる達郎さんのギターカッティングソロは健在。達郎さんだけじゃなく他のメンバーも結構な年齢になられている方多いのにも拘わらず、みなさんお疲れの様子もなく最後まで寸分の狂いなくプレイを続けられるのには脱帽です。
日頃の体調管理をしっかりなさっているのでしょう。
20.YOUR EYES
歌う前の、お客さんの身体的具合悪いところをイジるカラダの箇所が以前より増えました(笑)
このラストナンバーのアカペラは相変わらず特に綺麗でスムーズな声に感じさせてくれ、2時間50分のTATSURO YAMASHITA PERFORMANCE 2023 山形公演は大団円を迎えました。
しかし、70歳でこの歌声、体力、パッション。本当にすごい。
自分も歳だからなんて絶対言わない様に改めて肝に銘じる次第であります。
余談
翌朝、ホテルをチェックアウトしようと3階のロビーで降りようとしてエレベーターの扉が開いたら、アッ!目の前にドラムスの小笠原さん
「このまま羽田から飛行機で、全部で10泊のツアー。全然家に帰れていなくて・・・」